大切な人が、認知症かもしれないと思った時、どこに相談し何をすればよいのでしょうか、社会福祉士としての視点から基本的なポイントをお伝えします。
◆ 「もしかして認知症かも」
認知症は「脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態」を言います。日常生活の中で「認知症かも?」と気付いた実例をご紹介します。
・仕事の帰りに必ずデパ地下で食材を買ってくるご主人の、買ってくる食材の量が増えてきた。「こんなに食べられないよ!」と注意しても、増える一方。「おかしい」と気付いて調べたら認知症だった。
・フェアプレーでゴルファーの鑑といわれていたAさんに、スコアごまかし疑惑が持ち上がった。
「まさか」と思いつつもプレーを見ていたら、途中で計算できなくなっている事が判明した。
・テレビ好きのBさんが、突然テレビ嫌いに。よくよく話を聴いてみると、ストーリーを理解できなくなっていることが分かった。
・左右違う靴を履くことが、頻繁に起き「これは、おかしい!」と家族が気付いた。
事例は人により様々ですが、加齢による物忘れと認知症を見分ける一つの目安として、「加齢による物忘れ」は、同窓会で会った友人の名が思い出せない。昨日晩飯に何を食べたか忘れた、というようなケース。
一方、「認知症」は、同窓会に行ったこと自体を忘れている。昨日夕食を食べたことを忘れている、というような違いがあります。どちらともいえないような中間のレベルでも、以前より物忘れが増えている、程度が同年代の人より強い、などと感じたら早めにチェックして、早めに対応することが大切です。
内閣府の高齢社会白書の推計では、65歳以上で認知症の人の割合は、2025年には5人から5.4人に1人ですが、2060年には3人に1人から4人に1人が認知症になる見通しです。
65歳以上の認知症患者の推定者と推定有病率 出典:高齢者白書 内閣府
◆ 「その時にしなければならない事」
認知症かな?と思った時何をすればよいのでしょうか?下にご紹介する4項目のどれから始めても良いと思いますが、専門家の診察につなげる事が大切です。
1. 役所や診療所などにある、いくつかの質問で構成される簡易チェックテストをやってみる。
2. かかりつけ医の診察を受け、場合によっては認知症疾患医療センターなど専門医に繋いでもらう
3.地域包括支援センターを窓口に、専門家で構成される 「認知症初期集中支援チーム」に対応してもらう
1) 地域包括支援センターに相談
2) 2~3人のチームで家庭を訪問
3) チーム員会議 医療・介護サービスを検討しケア方針を作成
4) 短期集中支援の実施(おおむね6か月以内)
5)医療やケアマネージャーなどに引き継ぎ、支援
4.病院の「もの忘れ外来」 (精神科、神経科)で診てもらう。
早めの相談は、早期発見、早期対応につながります。
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一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC) 福本 芳朗 CFP®
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