A子さん(18歳)は、街中で脱毛エステの無料体験に誘われました。「無料なら」と体験コースを受けたところ、終了後に別室で有料エステの勧誘をしつこく受け、断り切れずに約20万円の全身脱毛コースを契約してしまいました。
民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする、民法の一部を改正する法律が今年の令和4年(2022年)4月1日から施行となり約3ケ月が経過しています。
この民法改正は18歳、19歳の若者が自らの判断によって、人生を選択できる環境を整備するとともに、その積極的な社会参加を促し、社会を活力のあるものにする意義を有するものと位置づけられています。改正によって18歳になったら出来ることとできないことを理解しておきましょう。
表1:成人年齢引き下げによる変更点
表1のとおり、携帯電話の購入、クレジットカードの作成、アパートを借りる、などの契約を自分の判断のみで出来るようになりますが、成年になって結んだ契約は未成年者取消権の行使が出来なくなり、消費者トラブルの増加が懸念されています。
このような成人に成りたての若者は、契約に関する知識や経験が乏しいこともあり、内容をよく理解しないまま安易に契約を結んでしまう傾向があるようです。
◆ トラブルの種類
消費者生活センターに寄せられる相談内容を見てみると、美容医療、ダイエットサプリメント、化粧品の定期購入、洋服などの詐欺、アダルト情報サイト、オンラインカジノ、暗号資産(仮想通貨)、投資用USB(※)などのトラブルが多く見受けられます。(出典:内閣府大臣官房政府広報室)
※高額な投資学習用USBメモリーを販売する連鎖販売(ねずみ講)
◆ 具体的なトラブル事例
低価格で1回限りの購入だと思って申し込んだが、支払総額が高額な購入だった。
動画投稿サイトで「初回無料、送料500円のみ」と記載されている広告を見て、1回限りの購入のつもりでダイエットサプリを申し込んだ。支払いはコンビニなどの後払い決済サービスを選択した。購入後販売サイトをよく見ると、小さな文字で「2回継続が条件」と記載されていた。2回目の商品は6万5000円であった。販売業者に連絡を取ったが電話が繋がらない、どうしたらいいか。
◆ トラブルに合わないために
商品の購入やサービスを受ける際に契約を勧められたときは、次のようなことに気を付けましょう。
1.契約する前によく考える。
2.うまい話は鵜呑みにせず、きっぱり断る。
3.クーリングオフや消費者契約法等、消費者の味方になるルールを身に付ける。
4.借金を勧める業者は要注意、クレジット契約も慎重に。
5.困ったときは神奈川県消費者生活センター(045-311-0999)、または消費者ホットライン(188局番無し)に相談する。
◆ 新成人(18歳・19歳)に注意喚起
私たち自身がトラブルに遭わないこととともに、周りにいる18歳・19歳の新成人に対してお節介と思われるような声かけやアドバイスが、今の時代だからこそ必要なのではないでしょうか。
<参考>
国民生活センター報道資料
https://e-letter-jp.com/servlet/front?id=35432&uc=9tnl0.12lfwu.9jf1x2wohiig.l1ztik6i
神奈川県消費生活課HP
2022年4月から成年年齢引下げ ー若者を狙った消費者トラブルに注意ー
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一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC) 網野 俊 CFP®
KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献するこ とを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。 |
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