2023年1月15日 米国中流家庭のように資産1億円をもつために必要なこと(その四 超長期投資でつかえる「つみたてNISA」に進化)

「米国中流家庭のように資産1億円をもつ」のシリーズ第9弾です。3回前から、つみたて投資での大事なポイントを深堀してきました。

そのような中、昨年末、政府が、つみたてNISAの恒久化と、投資枠を年120万円に拡大する案を提示しました。

本格的な超長期のつみたて投資が可能になる画期的な進化ですので、今回は、そのことについて触れたいと思います。

 

 ◆ つみたてNISAの恒久化と投資枠の拡大

恒久化により、真に、超長期投資が可能となる手段に、つみたてNISAがなります。

また、つみたて枠が月々10万円となることで、つみたて額が少ないということがなくなり、自分の家計に合わせ、又、将来のライフプランに合わせて、資産形成をする土壌ができることになります。10万円の枠であれば、ほぼすべての方が、家計の状況に合わせたつみたて金額を自分で決められるようになります。

 

NISAだけでなく、昨年には、iDeCoの適用範囲が拡大されました。これにより、現役時代には、ほぼすべての生活者の皆さん(会社員、自営業、公務員、専業主婦)が、iDeCoを含む確定拠出年金の枠組みの中で将来の生活資金を作れる環境ができました。

 

現役世代のiDeCoと、恒久化し、全世代が使えるつみたてNISAを組み合わせ使うことで、人生100年をフルに使った超長期投資ができるようになる転機の年を迎えたといえます。

 

◆ 超長期投資のキーポイント

40年~80年という期間を使っての「超長期投資」で大事なことは何かを振り返りましょう。

 

第一には、「世界経済は成長するであろう」が大前提となります。これについては、それを信じることが必要になります。株式や債券の価格は、おおよそ、世界経済の成長にリンクして増えていくからです。

 

世の中絶対はないとはいえ、長い目で見て、世界経済は成長するとは考えてよいのではないかと私は考えています。ですから、ここでは、「信じる」という言葉を使うことになります。

 

二番目に大事なのは、リスクに強くなることです。

つまり、株価の大幅下落(リーマンショックのような60%の下落)に耐えられるリスク許容度を持つために、金融力をつけなければなりません。

自分の資産が60%減ずることには耐えられなくても、資産配分を適切にして、20%減には耐えられるリスク許容度を持てるよう、金融力をつけることが必要です。

 

以上二つが大前提とした上で、大切なのは、過去3回の本コラムで提案したことを実践することです。

①とにもかくにも、つみたて投資を始めること。

②リスク許容度に合わせたアセットアロケーション(資産配分)をきめること。

③低コストの金融商品を選ぶこと。

 

ポイントは以上の通りですが、それらについての理解を深めることが必要です。そうでないと、何十年もつみたて投資を実践し続けることができないでしょう。

そのために、金融力を持ち、かつ、豊富な投資経験を持った非営利の独立系ファイナンシャルプランナーが、生活者の立場で、そして、営利企業の論理に縛られない立場で、皆さんの資産形成力を高める一助となる役割り果たすことが求められるし、それができることを、理解いただけるように発信をしていかないといけないと考えています。

 

この3つのポイントを踏まえて、つみたて投資を始めるわけですが、次に大切になるのが、「超長期の視点」です。

 

次回は、超長期の資産形成で大事なポイントを押さえていきたいと思います。

 

 

参考データ

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一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC)   理事  奥田健一  

 専門分野:ライフプランニング、資産形成、保険・年金

  主な資格:CFP®・1級FP技能士

 

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