2023年3月1日 米国中流家庭のように資産1億円をもつために必要なこと(その五「超長期の視点」とは)

 

「米国中流家庭のように資産1億円をもつ」シリーズ第10弾です。

つみたて投資を続けるために大事なこと、「超長期の視点」を説明します。

 

◆ 「超長期の視点」

今回の主題を「超長期の視点」と、「視点」という単語を入れた理由を説明します。

それは、「40年つみたて投資」というと、40年、ずっと積み立てをしていくのかと誤解される方もいるからです。そうではなく、高齢となる後半は、運用を続けつつも、年金のように部分解約する。また、つみたてをしている前半でも、まとまった資金が必要なら50万円、100万円という単位で部分解約をしていくという、つみたてと部分解約を組み合わせの提案を意図しているのです。

 

◆ 超長期とは、どのくらいの期間のこと?

ふつう、長期とは、5年~10年程度のことを指すといってよいでしょう。中には、2~3年でも長期と考える方がおられます。ここで言う「超長期」とは、人生100年として、100歳までを指します。つまり、20代の方なら80年間、60歳の方でも40年間という期間です。

 

10年を超える期間となると、期間が長過ぎると思う方がいらっしゃるでしょう。また、70歳、80歳を超えた高齢になって、リスク資産で運用するなんて考えてもいないという方多いでしょう。

 

もちろん、条件があります。

 

◆ 条件のポイント

  1. 100歳までの超長期
  2. 中庸なリスク(*)の資産配分とする(リスク許容度を考慮する)
  3. iDeCoやつみたてNISAといった税制優遇のつみたて投資の手段をフルに使う(**)
  4. 前半、つみたて、後半、年金受取り
  5. 前半で中庸なリスクでの経験を積んだうえで、後半は、同じ投信での運用を続ける
  6. 資金が必要な時は、部分解約し、現金化する(教育費、大規模リホームなど)(***) 

* 全金融資産ベースで、リスク(標準偏差)が10%未満となるような資産配分にする

** つみたてNISAは、いつでも解約できますが、iDeCoは、年金ですので、65歳まで解約できません

*** たとえ元本割れしていても、それに頓着なく投資タイミングと関係なしに部分解約するというのがポイントの一つです

 

◆ 注意を払うべき点があります

  1.  現役の時に、できるだけ早い時期から投資は始めるべきです。
  2. たとえつみたて投資でも、高齢になって(特に70歳を過ぎて)、はじめて、リスク商品での投資をすることは勧めません。
  3. とは言っても、それ以前からリスク商品を経験している方なら、70歳を超えても、中庸なリスクであれば運用を継続するのが可であると考えます。
  4. 50後半~65歳の年齢の方の中には、自分は高齢でリスク商品での投資を始めるのは時すでに遅し、と思っている方もいるかと思いますが、今や、現役で仕事をしている年齢ですし、心身ともに、若さを維持している年代です。人生100年を考えたら、 まだまだ若いということですので、その年代の方は、投資を初めて始めるのもありと考えます。 

超長期で中庸なリスクのインデックスファンドの組み合わせでつみたて投資を行い、タイミングにとらわれずに、つみたても、資産の取り崩し(年金受け取り)もしていきましょう。

以前のこのコラムで紹介したように、それほど大きなつみたて金額でなくても、超長期等時間をかければ、2000万円問題はもとより、さらに大きな資産形成が可能です。

 

◆ 実践継続中の長期のつみたて投資

私が実践しているつみたて投資の推移を紹介します。途中、教育資金捻出のために、半年ごとに50万円を引き出すということを10数回繰り返しました。

まだ22年ですから超長期とは言えませんが、今後リーマンショック級の大暴落が再来して、60%の下落があったとしても、元本割れしない状況となっていて、長期の積み立ての効果を実感しています。

 

参考データ

(リスクが高めの日本株投信でつみたて投資を行っています)

 

 

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一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC)  奥田 健一

 専門分野:

 ライフプランニング、資産形成、保険・年金

   主な資格:

   CFP®・1級FP技能士 

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