今年を含めここ数年、集中豪雨による水害などが増えています。地球温暖化に伴う気候変動の影響と指摘され、今後、さらに増加する可能性があるため、備えをチェックしておくと安心です。
◆今後も増える、短時間強雨
国土地理院の調査では、時間雨量50ミリを超える短時間強雨は40年前の1.5倍に増えています。
出典:河川事業概要 2023 国土地理院」
国土地理院は、「中緯度の陸域のほとんどで極端な降水がより強く、より頻繁となる可能性が非常に高い、今後さらに大雨や短時間強雨の発生頻度や降水量などが増大することが予測される。」としています。
◆都市化が増やす、水害リスク
また、国土地理院は、①都市化が進んで、流域の多くが市街化し、自然遊水地が減少したことにより、短時間に多量の水が河川に流入するようになり、水位の上昇が急激になっている。②地下空間の利用が進んでいる大都市では地下施設への浸水被害が生じるリスクが高まっている、と指摘しています。
出典:河川事業概要 2023 国土地理院」
◆ハザードマップで、住んでいるところのリスクを確認!
ハザードマップは自然災害の時に、被害が起きるかもしれない場所を確認できる地図で、各地方自治体が作成しています。災害によって危険が違うので、水害関連のハザードマップで危険度をチェックしておきましょう。気候変動に伴いハザードマップの書き換えも進められていますので、定期的にチェックしておくとさらに安心です。
出典:洪水浸水想定区域(多摩川水系) 川崎市
◆非難する時の行動と、情報の入手方法を確認!
自宅のリスクを確認したら、次に避難判定フロー図を使って必要な行動を確認しておきましょう。
出典:川崎市防災ポータルサイト
各警戒レベルの意味を正確に把握し、避難先も確認しておくことが大切です。
出典:新たな避難情報に関するポスターチラシ 内閣府
家族構成に応じた、避難用備品を用意しておくと、避難生活を快適に過ごせる可能性が高まります。
◆水害に備える保険は?
水害には火災保険の水災補償で備えます。水災(水害)の補償を付帯することで、台風や暴風雨、豪雨、洪水、高潮、土砂崩れなどの被害を受けたとき、補償の対象となります。保険会社によって補償される内容は異なりますので、どんな場合に補償の対象となるかは確認が必要です。火災保険は建物と家財が対象になりますので、両方対象とするのか、一方だけを対象とするかも検討します。
保険金の支払い要件は、以下のように規定されているのが一般的ですが、保険会社によって異なる場合もあります。
1.建物や家財が保険価額の30%以上の損害を受けた場合
建物や家財が保険価額の30%以上の損害を受けた場合に補償が受けられます。
2.床上浸水、または地盤面から45cmを超える浸水による損害を受けた場合
洪水などによる床上浸水が発生した場合、もしくは地盤から45cmを超える浸水が発生し、損害を受けた場合に補償が受けられます。床上浸水とは、居住用の床を超える浸水を指します。
-------------------------------------
-------------------------------------
一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC) 福本 芳朗
専門分野:
ライフプランニング(特に高齢者の住まい、施設、福祉、キャリア)、不動産
主な資格:
CFP®・1級FP技能士、社会福祉士、キャリアコンサルタント、1種証券外務員、住宅ローンアドバイザー
【免責事項】
かながわFP生活相談センター(KFSC)は、当コラムの内容については掲載時点で万全を期しておりますが、正確性・有用性・確実性・安全性その他いかなる保証もいたしません。当コラム執筆後の法律改正等により、内容が法律と異なってしまう場合がございます。どうぞご了承くださいますようお願いいたします。万一、当コラムのご利用により何らかの損害が発生した場合も、当社団法人は何ら責任を負うものではありません。