日本の総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は、総務省統計局によると28.7%の3617万人(2020年9月15日現在推計)となっています。
お子様の家庭とは遠く離れたところにお住まいの高齢者夫妻、お一人様でお住いの高齢者の方も増えてきています。高齢化に伴いケガや病気、認知症のリスクが高まっています。
万が一の場合、介護が必要となってきます。
その時慌てないように今のうちに公的介護保険の給付申請の手続きを理解しておきましょう。
◆ 介護状況になるきっかけ
多くの場合はケガや病気、認知症発症等です。
図.1 65歳以上の高齢者の介護が必要となった主な原因(厚労省 「2019年国民生活基礎調査」より)
病名 |
割合 |
要支援者 |
要介護者 |
認知症 |
17.6% |
5.2% |
24.3% |
脳血管疾患(脳卒中) |
16.1% |
10.5% |
19.2% |
高齢による衰弱 |
12.8% |
16.1% |
11.4% |
骨折・転倒 |
12.5% |
14.2% |
12.0% |
関節疾患 |
10.8% |
18.9% |
6.9% |
心疾患(心臓病) |
4.5% |
7.1% |
3.3% |
その他 |
22.2% |
23.5% |
21.2% |
不明・不詳 |
3.5% |
4.4% |
1.8% |
◆ 小見出し2相談窓口、提出書類と行政窓口、認定の流れ
介護保険利用者(本人)、又は家族が本人の居住地域の市町村の窓口に認定の申請をします。
本人が行けない、家族が遠方などの場合、または入院中であれば、病院のソーシャルワーカーが居住地域の地域包括支援センターに代行を依頼してくれます。また、在宅の方は地元の民生委員が地域包括支援センターに取り次いでくれます。あるいは、居宅介護支援事業者が代行してもらうこともできます。
【提出書類】
① 「要介護認定申請書」(役所や地域包括支援センターの窓口においてある規定の書類。自治体のホームページからダウンロードできることもあります。)
② 介護保険被保険者証(65歳以上の第1号被保険者)
※第2号被保険者(40歳~65歳未満)は健康保険証。ただし、要介護状態になった原因の16種類の特定疾病に限ります。
③ 個人番号(マイナンバー)と身分証明書(顔写真がある運転免許証、パスポート等。)
※顔写真入りのマイナンバーカードをお持ちの方はこちらを使うと便利です。
※家族による代理申請も可能ですが、代理であることと必要な書類を窓口に電話して確認しておいた方が良いです。
【認定の流れ】
1.調査
調査員が自宅、あるいは病院を訪問し、74項目などを調査します。
① 心身の状況
② 特記事項
③ 日常生活自立度
2.判定
① 一次判定(コンピューターによる)
② 主治医意見書
③ 二次判定(介護認定審査会)
3.認定
① 自立
② 要支援1~2
③ 要介護1~5
4.通知
申請から30日以内に届きます。
◆ 介護保険制度利用の流れ
介護保険制度利用のイメージ(厚労省老健局より)
介護認定の申請は必要になる前に手続き、必要書類を確認しておき、困ったら地域包括支援センターに相談しておくことが大切です。
一般社団法人 かながわFP生活相談センター(KFSC) AFP 金井 剛
KFSCは神奈川県民の皆様のライフプラン作りやより豊かな生活の実現に貢献するこ とを目的に活動するベテランのファイナンシャル・プランナー集団です。 |
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